駒つなぎの桜(夕景)

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シリーズ 桜 2014 その6

 「駒つなぎの桜」は、源義経が奥州下向の折りに馬をつないだという伝承がある、推定樹齢400年~500年とされるエドヒガンの一本桜。古い木は朽ちて、現在は「ひこばえ」が生育したものであるが、2004年の台風16号の影響で枝の一部が折れても、尚、樹勢は衰えることなく毎年見事な花を咲かせている。
 「駒つなぎの桜」へは、2011年4月29日に一度訪れ、日の出前から日の出直後の光景を撮影しているが、午後の斜光、特に夕日の斜光の光景を撮るのが今後の課題であった。「駒つなぎの桜」は、水を張った棚田が水鏡になり、そこに映る姿でも有名だが、残念ながら昨年から桜の保全のために水張りは行われていない。それゆえ、昨年は訪れるのを断念したが、今年は「桜」の美しさだけで良いと思って計画していたところ、金曜日の朝で3分咲きという情報。土曜日は一日晴れで、日曜日は曇り時々雨の予報。次週の状況は分からないので、19日の土曜日に急遽、出かけることにしたのであった。

 早朝、奥多摩にて山桜を撮影後、長野県阿智村へ移動。午前11時に駐車場に車を止めて、1km程上り坂を歩くと到着。やはり「駒つなぎの桜」は、素晴らしい。天気は良好で、桜の開花も進んで7~8分咲き。前回は、午前3時過ぎから三脚を立てる隙間がないほどカメラマンがいたので、夕方の撮影でも早めが良いと思って来たのだが、何とほとんど人がいない。早朝は大勢いたのかも知れないが、水張りをしていない影響なのだろうか?とにかく人が少ない。私には好都合で、自分が良いと思う位置に三脚を据えることができた。そして、Carl Zeiss Planar 50mm をセットし、夕方の光線を待つ。
 15時半頃になると、カメラマンが増えるが、それでも10人ほど。しかし、本格的に撮ろうと(三脚、レリーズ、ミラーアップ、マニュアル・フォーカス)しているのは数名。ほとんどは観光客の方々でスマホか一眼デジタルを手持ちでバチバチ、カシャカシャ。私は「駒つなぎの桜」をじっと見つめ、時折りシャッターを切る程度。

 日焼けしながら5時間かけて、光の当たり具合に合わせて、絞り、露出等を変えながら様々な表情を120枚撮影。結局のところ、到着当初はすっきりと晴れていた空も、夕方近くになると薄雲が広がり、目的の強い夕日の斜光は得られなかった。掲載の写真は、一番最後に撮った1枚。フレーム一杯に桜全体を押し込めた窮屈な感じとプラスアルファの要素がないのが難点であるが、水鏡がなくとも「駒つなぎの桜」という名木そのものが芸術品なのだ。ということを伝えたい。最終回へ、つづく・・・

IMG_3358.jpg

駒つなぎの桜
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
絞り優先AE F1.4 1/1600秒 ISO 100 -1EV(撮影地:長野県下伊那郡阿智村 2014.4.19 16:31)

コメント(6)

見事な桜です。
写真自体も、とてもいい雰囲気がありますね。

駒つなぎの桜、良く見る水田に少し映り込んでいるのとは違い
力強い幹の樹形が桜の美しさを強調しているように思えます。
桜に濃淡が感じられるのは陽のあたり具合なのでしょうか?
今まで見た駒つなぎの桜の中でとても印象深く感じました。

こんにちは。
たいへんなご苦労をなさいましたね。
でも傑作が残りました。

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