霧ヶ峰の霧氷

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 雲の晴れない富士見台での撮影は早々と撤収し、雪の積もったビーナスラインを走り霧ヶ峰へ急ぐ。2013年の1月と今年の3月に霧氷とサンピラーを撮影した場所に差しかかると、山肌を覆っていた雲もなくなり、カラマツの霧氷林が見えた。過去2回よりも霧氷が満遍なく付いており、時折り差す朝日に白く輝く様が美しい。
 路肩に駐車し、撮影開始。この場所における霧氷林の魅力を損ねないようにスケール感を保ちつつ、前回、前々回と同じカットにならないようにアングルを決め、光が差し込むたびに何枚もシャッターを切った。

 その後、「霧の駅」の交差点を右折し、八島湿原方面へと車を走らせると、この道沿いにも、かつて見た事が無いほどの霧氷の光景が広がっていた。どこを見ても美しい。特に、車山肩から八島湿原にかけてのなだらかで雄大な風景は、他では見ることができないが、2011年12月に「霧氷八島ヶ原湿原)」として撮影しているので、今回は、予てより狙いを定めていた「沢渡」のカラマツ霧氷林に絞った。
 車を止め、カメラと三脚を担いで膝上まで雪に埋もれながら崖を登る。何とか撮れる位置にセットし、雲間から漏れる朝日が当たるのを待つ。霧氷がその魅力を最大限に発揮するのは、逆光または半逆光の光が差す時であるから、その瞬間を狙ってシャッターを切った。

 今回は、西高東低の冬型の気圧配置と強い寒気が入り込んだことで前日が荒れ模様になり、また、南西の風によって運び込まれた諏訪湖の湿った空気が霧ヶ峰まで来たところで冷やされて雲や霧になったこと、更には、当日の朝は天候が回復し厳しい冷え込みになったことで美しい霧氷が見られた。そして何よりも、この気象条件と私の休日のタイミングがマッチしたことで撮影できたのである。「田代池の霧氷」と「ダイヤモンドダスト」は別として、これまで撮影してきた美ヶ原や高ボッチ、霧ヶ峰の霧氷写真とは一味違うものになったように思うが、まだまだ課題が多く、満足できる作品には程遠い。なぜならば、

  • 清楚で繊細
  • 冷たさと柔らかさ
  • 果てしのない広大さ
  • 光と影の演出によるドラマチックな展開
この4項目すべてを1枚に写し込むことが目標であるからである。

 翌週の14日も白樺高原、蓼科牧場に行ってみたが、残念ながら霧氷はなし。次いでに「佐久」経由で八千穂高原まで周ってみると、標高1,000mの麓だけに霧氷が付いていたが、手前の木々や電線など邪魔なものが多く1枚も撮らずに帰宅した。今後も、目標を達成し納得がいく作品が撮れるまで通い続けたいと思う。

IMG_3589.jpg

霧氷(霧ヶ峰)
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/100秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:長野県諏訪市 2014.12.07 8:24)

IMG_3590.jpg

霧氷(霧ヶ峰)
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F13 1/60秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:長野県諏訪市 2014.12.07 8:31)

IMG_3591.jpg

霧氷(霧ヶ峰)
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F13 1/60秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:長野県諏訪市 2014.12.07 8:42)

IMG_3592.jpg

霧氷(霧ヶ峰)
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F13 1/60秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:長野県諏訪市 2014.12.07 8:45)

コメント(4)

こんにちは。
物語の終わりに相応しい素晴らしい写真が撮れましたね。お見事です。膝までの雪をかき分けながらの行軍はお疲れ様でした。これらは額に入れて飾りたいです。

こんにちは。
天候的には厳しいのでしょうが霧氷を表現するのには
とても良い条件に恵まれて素晴らしいお写真になりましたね。
この撮影をするのに困難もいとわず急な斜面をお一人で
登って行く姿が想像されますし
この光景を眺めて感動していらっしゃる姿も
目に浮かぶようです。
どの一枚からも霧氷の美しさ感じられますが
私的には1枚目と2枚目のお写真が好きです。
とことん突き詰めて撮影したいと思われていらっしゃるので
ご自身では少し納得されないかもしれませんが
見ている側からすればとても素晴らしい霧氷の光景を
表現されていらっしゃると思います。

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