アサマシジミ

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 アサマシジミ(Lycaeides subsolana)は、シジミチョウ科ヒメシジミ亜科(Polyommatinae)の属するチョウで、北海道と本州の関東、中部地方の中山帯の草原のみに分布し、ナンテンハギ、イワオオキなどのマメ科植物が食草であるが、生息地がたいへん局所的である上に、開発による生息地の破壊と生息地によって異なる班紋から採集者による乱獲が絶えず、各地で絶滅に瀕している。

 アサマシジミは、地域によってシロウマシジミ、ミョウコウシジミ等と呼ばれることもあるが、分類学上は以下の3亜種に分類され、いずれも環境省RDBでは絶滅危惧種に選定されており、北アルプス亜種(別名:ヤリガタケシジミ)は、長野県の天然記念物に指定され、条例で採集が禁止されている。

  • 中部地方中山帯亜種(Lycaeides subsolanus yaginus)絶滅危惧ⅠB類(EN)
  • 北アルプス亜種(別名:ヤリガタケシジミ)(Lycaeides subsolanus yarigadakeanus)絶滅危惧Ⅱ類(VU)
  • 北海道亜種(別名:イシダシジミ)(Lycaeides subsolanus iburiensis)絶滅危惧ⅠB類(EN)

 アサマシジミの撮影は、今年の大きな目標の1つであった。昨年から様々な地域を探索するが見つからず、今年だけでも8ヶ所廻ったがダメで、ようやく山梨県内において、アサマシジミ中部地方中山帯亜種(以下、アサマシジミという)を撮影することができた。
 早朝5時から待機し、気温の上昇とともに草の葉上に出てくるのを待つ。朝日が当たる頃には開翅が望めるはずだ。2時間待って、やっと1頭のアサマシジミが葉上に出てきた。翅裏の模様は、同属のミヤマシジミや近似種のヒメシジミと良く似ており、区別するのは容易ではない(次の記事で掲載)が、今回の撮影地区では、アサマシジミしか生息しておらず、また他の2種よりも一回り大きいことからすぐにアサマシジミと分かった。
 次は、開翅。30分ほど経つと、翅を擦り合わせ始め、ゆっくりと開翅。青色の面積は、ミヤマシジミやヒメシジミに比べて少ないが、これはこれで美しい。ちなみに北アルプス亜種(別名:ヤリガタケシジミ)は、翅表の青色が広く濃いというから、今後の目標である。
 今回は、撮影した一個体しかオスを見つけることはできなかったが、帰りがけに朝日を浴びて開翅するメスも撮ることができた。翅表は、基本的には地味な色合いだが、朝日に当たって輝くメタリックな色が印象的であった。

 アサマシジミは、初見初撮影の種で、当ブログのリスト「鱗翅目」で118種類目となる。

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アサマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 640(撮影地:山梨県 2014.7.21)

IMG_3477.jpg

アサマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.5 1/800秒 ISO 200(撮影地:山梨県 2014.7.21)

IMG_3478.jpg

アサマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.5 1/500秒 ISO 200(撮影地:山梨県 2014.7.21)

IMG_3479.jpg

アサマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F6.3 1/200秒 ISO 200(撮影地:山梨県 2014.7.21)

IMG_3480.jpg

アサマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 200(撮影地:山梨県 2014.7.21)

IMG_3481.jpg

アサマシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 320(撮影地:山梨県 2014.7.21)

IMG_3482.jpg

アサマシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 250(撮影地:山梨県 2014.7.21)

コメント(4)

こんにちは。
117、118と続き、リストに追加ですね。
おめでとうございます。
ご苦労の甲斐がありましたね。

こんばんは。
アサマシジミの初見初撮影おめでとうございます。
翅を広げていない時はあまり違いがないように見えますが
翅を開いているとオスは濃紺でシックな色合い、
メスは前の翅がコバルトブルーの部分があり、
後ろはオレンジが入っていて華やかな感じで
綺麗すね。

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