近況報告

| コメント(6)

 本年1月3日以来、一度もシャッターを切っていない。1/11~13は仕事。翌週から3週に渡って出かけたが目標とする光景に出合えず、その後、2週続けて大雪で足止め。2月最後の週末は、17歳になる頼れる相棒が車検と修理で入院中。2月の記事がないままでは、あまりにも寂しいので、2年前に千葉県南房総市にある根本海岸で撮影した未掲載のものをアップするとともに、近況を報告したい。

 自身の写真歴は今年で39年になる。オリンパスOM-2で撮り始めたのが1975年。リバーサルフィルムでホタルを中心とした昆虫と自然風景写真を撮っていたが、夏の時期に持ち出す程度の趣味であった。しかしながら、4年前にデジタルカメラを手にすると、その利便性から季節を問わず撮影するようになった。機材も揃え、最初は撮る行為そのものが楽しく、様々な被写体を撮りまくっていたことは、過去のブログ記事でも分かる。昆虫写真においては、種類も多く、その目的が図鑑写真であり生態の記録でもあるから行き詰まることなく、絶滅危惧種になかなか出会えなくても、各地に出かけては楽しく撮影しているのだが、自然風景写真においては、昨今しばしば悩み、行き詰まる。

 過去に撮影した自然風景写真を見直すと、昆虫写真と同じ「記録」になっていることがほとんどだ。例えば、自己ベストの1位に挙げている上高地の「田代池の霧氷」。極上の美しさがあり、簡単に見られる光景でないことは確かだ。更には、4回通って、マイナス23℃の中を4.5km歩き、2時間待機して撮ったという苦労はあるが、その場にいた10人程は、皆同じ写真を撮っている。オンリーワンの写真ではない。それに、目の前の光景をただ切り取っただけの「記録」にしか過ぎない。霧ヶ峰の「サンピラー」も同様だ。目の前の「美しさ」に夢中になって「記録」することに没頭していたように思う。しっかりと自然と対峙して、心に思う感動を整理して表現していれば、その場において違った写真も撮れたに違いない。
 自然風景写真は、記録ではなく、感動をもとに心に描いた絵を写真として表現する芸術作品でなければならないと思う。そういう意味では、2つ前の記事「ゆらぎ」に掲載した「水草と鯉」の写真は、それに近いかも知れない。
 2月は、色々と考え悩むよい機会であったかも知れない。もっと勉強し、「美」を追求しながらも、これまでの自身の写真とは違う芸術作品を目指したい。

 早いもので一週間後は3月で、春も駆け足でやってくる。ルーミスシジミ等の昆虫写真や梅林の撮影を予定しているが、11月同様に「霧氷」が付きやすい季節でもある。霧氷写真は、一生涯かけて追及したいテーマだ。今期も最後まで諦めずにチャンスを待ちたいと思う。

IMG_3317.jpg

夕暮れの根本海岸
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F25 3.2秒 ISO 100(撮影地:千葉県南房総市白浜町 2012.1.8)

コメント(6)

ブログ更新、待ってました。
さすが、ミスター・ストイック、その信念には脱帽です。
私の撮影スタイルは、最高傑作は撮れなくても、「どんな場所でも、最高の構図を探して撮る。」です。
その方がたくさん撮れるし、おもしろいです。
また一緒に撮影に行きましょう。

こんにちは。
お仕事がお忙しい中で、精力的に活動されていると、いつも感心しています。2週連続の雪には参りましたが、良い休養になったでしょうね。
「美」を追求する姿勢に改めて感服しました。

こんばんは。
いつも、ホタルさんの写真に対する真摯なお気持ちに
頭が下がります。
ネットに公開なさるからにはご自分の納得いくお写真でなくては
気に済まないご性格なのですね。
良いお写真が撮れるようにと努力していらっしゃることが
素晴らしいと思います。
いつか心を打つお写真として見せて頂けるのを待っています。

コメントする

アーカイブ

アイテム

  • IMG_3596.jpg
  • IMG_3595.jpg
  • IMG_3594.jpg
  • IMG_3593.jpg
  • IMG_3592.jpg
  • IMG_3591.jpg
  • IMG_3590.jpg
  • IMG_3589.jpg
  • IMG_3588.jpg
  • IMG_3587.jpg
Creative Commons License
このブログはクリエイティブ・コモンズでライセンスされています。

自然を愛し、自然をたいせつにする写真家です。
自然を愛する写真家
自然を愛する写真家バッジ

にほんブログ村 写真ブログ ネイチャーフォトへ
にほんブログ村

チャレンジ25キャンペーン
チャレンジ25宣言

写真表示

  1. 掲載写真は、クリックしますと全て拡大表示されます。
  2. ただし、HP容量の関係上、古い記事で写真が綺麗でないものは、写真が×マークになっており表示されません。
  3. 写真の著作権は古河義仁に帰属します。詳しくは「写真映像の貸出使用について」をご覧下さい。

写真の理念と昆虫リスト

最近のコメント

  • 購読する(Atom) atom
  • 購読する(RSS 1.0) rss
  • 購読する(RSS 2.0) rss