毎年訪れている千葉県勝浦市へ、ゲンジボタルの観察と撮影に行ってきた。幾つか生息地があるが、ここは水田と小川、雑木林といった典型的な里山のゲンジボタル生息地である。朝から降り続いていた雨は、16時にようやく止み、曇りで蒸し暑く無風。絶好のホタル日和となった。幼虫の上陸後から積算温度を計算すると、この日が発生のピークになるが、計算通り多くのゲンジボタルが飛び交い、美しい風景に出会うことができた。私以外、誰一人としていない。22時までホタルとじっくり対話することができた。
22時半、4月にゲンジボタルの幼虫上陸を観察した場所へ移動した。メスが産卵する様子を観察するためである。
ゲンジボタルは、だいたい19時半頃から21時くらいまで光りながら飛び交うが、この時間帯に飛んでいるのは、ほどんどがオスである。メスは草葉の上で光っていて、オスは飛びながらメスを見つけ交尾に至る。その後、23時頃になると、今度はメスが産卵場所を求めて川面を飛び交うのである。
よく観察してみると、メスは、オスのようにふわふわ飛ぶのではなく、水面すれすれの高さを一直線に光りながら飛ぶ。下流から上流へ、上流から下流へ。産卵に適した場所を見つけると、そこに止まって産卵を始める。産卵に適した場所とは、一般的には日の当たらない水際のコケであるが、ここは両岸が約2m<のコンクリート護岸で、コケは全く生えていない。ところどころに草が生えている程度である。
ゲンジボタルのメスは、特に日陰を選ぶでもなく、水際に生えた草の根元、枯れて茶色に腐りかけた場所に産卵していた。西日本、特に九州では、多くのメスが集まって集団産卵するが、ここでは、どのメスもバラバラで、思い思いの場所で産卵していた。証拠の写真を撮影しようと試みたが、斜めのコンクリート護岸に足が滑り、撮影はできなかった。ウェダースーツを着て、川の中から撮影しなければならないだろう。
ゲンジボタル
Canon EOS 5D Mark2 / EF 17-35/2.8L USM
バルブ撮影 F2.8 65秒 ISO 400 (撮影地:千葉県勝浦市 2011.6.11)
ゲンジボタル
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
バルブ撮影 F1.4 24秒 ISO 200 (撮影地:千葉県勝浦市 2011.6.11)
ゲンジボタル
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
バルブ撮影 F1.8 180秒 ISO 200 (撮影地:千葉県勝浦市 2011.6.11)
ゲンジボタル
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
バルブ撮影 F1.4 90秒 ISO 200 (撮影地:千葉県勝浦市 2011.6.11)
とても幻想的で綺麗ですね。
薄暗い中の里山の風景もとても素敵です。
このような風景、明るい時も見てみたい気がします。
granma 様、早速のコメントありがとうございます。
のどかな田園風景、千葉には、東京にはない光景がたくさんあります。(現在、実家は千葉県にあります。)
ただし、いつも「ブヨ」との戦いです。長袖を着て、虫よけスプレーをかけても、腕、首、顔、頭、たくさん刺されてしまい、後が大変です。