ホタル百科事典

東京にそだつホタル

ホタルとの出会い

ホタルのために、知識と感性と意識を

ホタルと出会って52年が経ちました。千葉県松戸市の水田でヘイケボタルを見たのが最初です。子供心にも感動し、その時の光景は今でもはっきりと覚えています。その後、仙台ゲンジボタル研究所の故浅田義邦先生をはじめ矢島稔先生(現ぐんま昆虫の森名誉園長)にご指導をいただき、ゲンジボタルを中心に彼らの生態や生息環境の研究に取り組んで参りました。
このホームページ「東京にそだつホタル」は、私のホタルに関する観察や研究をまとめた「自分史」のようものです。ただ昨今では、日本、特に東京から自然が激減しそれに伴いホタルも少なくなりました。と同時に全国的にも、ホタルや自然環境に対する関心がとても高まってきています。もし、「東京にそだつホタル」が今後のホタルや自然の保護に役立つのであれば、私にとってこの上ない幸せでありやり甲斐でもございます。

ホタル

「東京にそだつホタル」を通じてまず、ホタルの習性やホタルがどのような一生を送っているのかをご一緒に学びたいと思います。なぜなら、知識の少ない私たちは「ホタル鑑賞」に行く時に、生息地の側まで車のライトを付けて行ったり、ホタルに懐中電灯を照らしたりしていますが、この行為は、ホタルを絶滅させてしまうからです。次に、ホタルがどのような環境に棲んでいるのか(或いは棲めるのか)を学びたいと思います。また、それらをどのように保護・保全あるいは再生するべきか考えたいと思います。更には、本当の自然に触れ、本来の自然の姿を理解する感性を磨きたいと思います。そしてホタルを通じて自然環境というものに興味・関心を持ち、それらを理解し、自然を大切にしようという意識を持とうと思います。私たちに「知識」と「感性」と「意識」があれば、ホタルはいつまでも美しい光を放ってくれるに違いありません。皆様に趣旨をご理解いただき、すばらしい自然とホタルがいつまでも東京に存続し続けるよう、少しでもお役に立てれば幸甚でございます。必要な情報がインターネットを通じていつでも取り出せるこの時代。「東京にそだつホタル」は、ホタルを見るため、見せるためといった人々のためではなく、「ホタルのため」に、その保護に役立つよう常に正しい情報を発信して参りたいと思います。

2024年1月1日

東京ゲンジボタル研究所 / 古河義仁


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